元気な子、おしゃべりな子、感情が豊かな子、活発な子、
こどもなんだから、元気よくって当たり前って、好意的にとらえてくれる方もいれば、
落ち着きがない子、自己主張が強い子、感情を押さえることができない子、
暴力的な子、そんな風に見られてないだろうかと、心配になるママやパパもいるかもしれません。
その元気の良さや感情の起伏は、もしかしたら口呼吸や睡眠の浅さと関係してるかも。
普段、お口を閉じて静かな呼吸してますか?
鼻息荒くなってたり、肩や胸が大きく動く呼吸してませんか?
食事中、お口を閉じたままよく噛んでいますか?
クチャクチャ音を立てたり、うまく飲み込めずにお茶で流し込んだりしてませんか?
早寝早起き、朝までぐっすり眠れてますか?
イビキをかいたり、おねしょをしたりしてませんか?
何かひとつでも気になることがあれば、口腔機能について考えてください
矯正治療なんてまだ考えてない、歯ならびなんて気にしたことない、
という方は今ではなく、お子様の将来を心配してください
今は歯並びが悪くなくても、今後悪くなる原因が今、見つかるかもしれません。
そして、それが歯並び以外のことにも、良い効果を生むかもしれません。
悪くなってから矯正治療するより、悪くならないように予防、改善していくのが、
予防矯正治療の考え方です。
何が歯並びの問題を引き起こすのでしょうか?
右の写真のお子様(9歳⦆の歯並びは良いですか?咬み合せはどうでしょうか?
歯並びと咬み合せは意味合いが違うことにお気づきになりましたか?
お子様の歯並びが悪くて歯科医院を受診された場合、先生から“歯の並ぶ大きさに対して顎の大きさが小さい”、“歯が全部生えるスペースが足りない”などと言われて矯正治療を勧められたことはありませんか?
ではなぜ顎の大きさが小さいのでしょうか?なぜ顎が本来の成長を抑えられてしまっているのでしょうか?
多くの子供が歯並びや顎の発達の問題を抱えています。口呼吸、舌の突出癖、間違った嚥下(飲み込み)癖、指しゃぶりなどの口腔習癖が顎を含めた顔面骨格に影響を及ぼします。その結果咬み合せの問題を引き起こします。これらの原因は従来のブラケット(ワイヤー装置)による治療では改善することはできません。
写真のお子様はポスチャーと口輪筋を後退収縮させることなく、舌を口蓋に吸着させての嚥下(飲み込み)を学ばなければなりません。
現在先進国の子供たちの多くの歯並びが悪くなっていて、これは乳歯から永久歯の生え変りの際にスペース不足が原因で40年前にはあまりなかった現象であるとLondon Univ.EnglandのDr.John Flutterが述べています。現状では歯並びの改善を図るにはワイヤー装置を使った矯正治療が行われていますが、生涯リテーナー(保定装置)を装着することになり、それでも多くは後戻りがあります。12~13歳までに頭蓋顔面の90~95%は成長します。中顔面を構成する上顎骨、口蓋骨が正常に発育することによって歯が正常に萌出してきます。
言い方を変えると“頭蓋の顔面骨格が正常に成長すると正常な歯並び、咬み合せが構築される。逆に子供の歯並びが悪ければ頭蓋生育のどこかが悪いということになり、身体の健康を維持するうえではこの頭蓋が崩壊する過程を改善させる必要がある”ということになります。一般に矯正治療というと歯列の不正を思い浮かべるようですが、実際には間違った呼吸(口呼吸)と間違った嚥下によって生じる、身体と顎顔面・脳頭蓋を含めた上下顎の発育不良が原因で多くの不正咬合が発生しています。この身体も含めた顎顔面・脳頭蓋の不正成長を解決しなければ、中顔面を構成する上顎骨の正常発達が進まず、歯が顎に収まらなくなります。ワイヤーによって歯をきれいに並べても原因が治療除去されなければ、その歯また動いてきます。
当医院では子供たちの歯並び、咬み合せを改善するために、正しい呼吸をするためのプログラムを導入し、“口呼吸と間違った嚥下による顎の発育不良の改善”を行います。オーストラリアのDr Chris Farrellが筋機能療法として開発したトレーナーシステムです。この治療法のメリットは何かというと、正しい顔貌の発育、非抜歯。あくまで正しい顔貌の発育を目的としています。
正しい呼吸は鼻呼吸です。舌が口蓋から離れてくれば自然と口唇が開き口が開いてきます。横隔膜を使った正しい呼吸が出来ていれば椅子の背もたれに寄り掛かったりしなくても座っていることは辛くありません。今小学校では授業中に口がポカン開いた口呼吸で姿勢の悪い子供たちが増えています。口呼吸では呼気が鼻呼吸よりも多くなるので肺に留めておくべき必要な二酸化炭素量が少なくなってしまいます。肺及び血中の二酸化炭素濃度が低くなると酸化ヘモグロビンが身体の各組織細胞へ酸素を供給しにくくなり、身体に様々な影響を及ぼすことになります。例えば夜寝ているときに口呼吸になっていると脳への酸素供給量が低下することになり、睡眠時間は沢山取っているのに朝起きた時に“ボーとしている”、“身体がだるい”などの症状が出てきます。また血中二酸化炭素濃度の慢性的な低下は平滑筋のスパズム(痙攣)を引き起こすことになり、肺でそれが起きると気管支炎、気管支喘息になります。現在喘息の診断を受ける子供たちが増えていますが、本当の喘息ではなく喘息のような症状の子供が多くなっているのです。
主訴)歯並びが徐々に乱れてきた。
経過)呼吸プログラムに沿って正しい呼吸の仕方のトレーニング、毎日決められた時間に装置(Myobrace)を付けながらトレーニングを継続することで、口呼吸を正しい鼻呼吸に改善し、その他の習癖も取り除くことによって顎顔面骨格が本来の正しい方向に成長することで顎骨が大きくなり、歯が本来の位置に萌出し歯列も揃うようになってくる。
・唾液検査(むし歯のリスク検査)を受けない患者様の個々のリスクは評価できない |
・今までの治療優先の治療ではなく、将来を予測しながら治療をする |
・むし歯になった根拠、予防の仕方の根拠を理解する |
・乳歯、乳歯から永久歯への交換期、永久歯列完成までの咬み合わせも含めた記録の保存 |
・親元を離れて一人暮らしが始まる頃の食生活習慣の乱れる時期のむし歯のリスク検査 |
・中高年に差し掛かる頃の根面う蝕への対応 |
むし歯のリスクが低い人ではエナメル質表層の初期むし歯は放置したままでもリスクコントロールを継続することで歯の神経近くまで進行するには11年ぐらいはかかるという研究データもあります。
従って初期むし歯に対するアプローチとしては、直ぐに歯を削って処置をするのではなく、むし歯のリスクコントロールを継続しながら定期的に口腔内写真を撮影し、経過観察することが歯を守るうえでは重要です。
生まれたばかりの赤ちゃんの口腔内にはむし歯がいない、ということをご存じでしょうか?
可愛いあまりに周囲の大人がキスをしたり、お母さんが使ったスプーンで赤ちゃんに食事をあげたりすることで、親から子へむし歯菌が移ってしまうケースが非常に多いのです。
そのため、妊娠中からお母さんをはじめ、周囲の大人が口腔内を清潔に保つことが、赤ちゃんのお口の中を守るためにもとても重要となります。また、妊婦さんは歯周病になりやすいため、口腔内にトラブルがある場合はもちろん、予防的な意味でも、歯科医院でしっかりとケアしておくことが大切です。
母乳保育は栄養摂取、免疫機能を高めることだけではなく、正しい顎顔面骨格の成長を促すうえでは非常に重要です。歯並びが悪くなる原因は顎が本来の大きさに成長していないからです。赤ちゃんがお母さんの乳首に舌を絡めてミルクを吸う際に、舌小帯異常(舌小帯短縮症など)
乳歯はどうせ抜けるから、という理由で、お子様のお口のケアにあまり注意を払っていらっしゃらない親御様が時々いらっしゃいますが、それは大きな間違い。乳歯がむし歯になると、その後生えてくる永久歯もむし歯になりやすくなったり歯並びに影響を及ぼしたりするため、まだ永久歯が生えていなくてもしっかりとむし歯予防に努める必要があるのです。
成長著しい子どもにおいて、栄養を摂取するのに大きな役割を担っている乳歯。また、乳歯は正しい発音を促すためにも重要な役割を果たすものなので、しっかり守ってあげましょう。
しつけのためによかれと思って、「歯を磨かなかったら、歯医者さんに連れて行くよ」などと言うお母さんがいらっしゃるようですが、実はこの言い方だと、「歯医者=怖い場所」とすり込まれてしまい、将来、歯医者嫌いになりまねません。「○○ちゃんが、いつもおいしく食べられるようにしてくれるところ」「痛い歯を治してくれるところ」など、歯医者に連れて行くときはお子様の不安感を和らげる言い方で上手に伝えてあげてください。